ある日突然、「朝起きたら背中が痛かった」という経験はありませんか?背中痛は比較的急に痛みが出ることも多いため、突然の痛みに驚いた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
広く体を支えている背中は普段の生活習慣の影響が出やすく、肩こりや腰痛をかばって負荷がかかって痛みが出ることもあると言われています。厚生労働省が国民生活基礎調査で痛みのある箇所について調査したところ、男性の1位に挙がったのは腰痛で2位は肩こり、そして女性1位は肩こりで2位は腰痛という結果が出たそうです。つまり、国民の多くが肩から腰にかけての不調に悩まされているということがわかっています。
症状が出てしまうと生活に支障をきたすこともある背中痛。主な原因とその予防法について解説していきます。
背中や腰の痛みの原因と予防法
生活習慣によるもの
長時間パソコン仕事をしていたり、1日中立ち仕事をしていたりすることにより、背中に疲労が蓄積されて痛みとして出ることがあります。悪化すると完治まで時間がかかってしまうので、疲れがたまっていると感じたら早めにケアをするのがポイントです。
ぎっくり背中
「ぎっくり背中」という症状があるのをご存知でしょうか。「ぎっくり背中」とは、「ぎっくり腰」と同じように何かの動作をした際に突然生じる急激な痛みで、重いものを突然持った時のほか、物を取るために手を少し高く上げた時や寝姿勢がおかしかった時などに生じることがあります。
ぎっくり背中は、ぎっくり腰と違って普段の生活のちょっとした動作で生じることがあり、用心するのが難しいとされています。一般的には、運動不足や生活習慣により筋肉が凝り固まっていると生じやすいという傾向が指摘されています。
精神的ストレス
近年、背中や腰の痛みには、精神的な問題が関係する場合もあるということが研究により明らかになってきたそうです。
仕事などで過度なストレスがかかることによって背中の筋肉も緊張状態が続き、負荷が積み重なって痛みが出るという説に加え、ストレスが痛みという形で表面に出てくるケースがあるという新しい説もあります。
睡眠不足
仕事などのストレスや、何らかの原因により熟睡できず睡眠不足の状態が続いたりすることにより、背中に痛みが出ることもあります。疲労が蓄積されて筋肉のバランスが悪くなり、痛みを引き起こすというケースもあるそうです。
背中痛を防ぐには予防がポイント。簡単にできる予防法とは
生活習慣
仕事中に同じ姿勢でいることが原因になっている場合は、合間に適度な休憩を入れてストレッチをするだけでも筋肉がほぐれて凝りや疲れがある程度解消されるでしょう。
運動習慣
定期的に運動をすることで凝り固まった筋肉がほぐれます。また、筋肉が増えると血流が良くなり、背中痛などのトラブルの予防につながり、良い姿勢を保ちやすくなります。普段運動をしていない方は、無理のない範囲で少しずつ始めることをおすすめします。
睡眠習慣
ストレスをかかえたまま眠ると、熟睡できず夜中に目が覚めたり、疲れがとれず翌日も眠気がとれなかったりということが生じます。寝る前はできるだけストレスを解消してリラックスして眠れるよう、気分転換の時間を設けましょう。
また、枕の高さが合わなかったりマットレスや布団が劣化したりしていると、しっかり睡眠をとっても疲れが取れず、逆に寝疲れを起こしてしまうことがあります。睡眠の質を上げるためには寝具は重要なポイントです。正しい寝姿勢を保てる寝具を選びましょう。
まとめ
つらい背中痛の原因と予防法についてご紹介しました。生活習慣、運動習慣、睡眠習慣の改善などによりある程度の予防は可能ですが、もし痛みが出てしまった場合は、医療機関などを受診することをおすすめします。
治療法は医療機関によってさまざまですが、痛みを軽減することに加え、運動能力の向上や精神面のサポート、生活習慣の改善を図ることにより、予防につなげるという総合的な治療も行われています。早期治療により完治も早くなるケースが多いので、早めの受診をおすすめします。
<参照:日本理学療法士協会>