あなたは毎日睡眠を十分にとれていますか?実は、日本人は本当は睡眠不足なのに自覚がないという人が多い傾向にあると言われています。十分に寝ているという方も、睡眠時間が足りないという方も、ぜひ一度「アテネ不眠尺度」で睡眠の質をチェックしてみましょう。
ここでは、世界と日本の睡眠に対する意識の違いや万国共通の睡眠評価シート「アテネ不眠尺度」について、そして最後に不眠を防ぐポイントをご紹介します。あなたも、この機会に自分の睡眠についてもう一度見直してしてみませんか?
世界から見た日本人の睡眠時間
日本は、世界的に見て睡眠時間が短い傾向にあります。OECDが2014年に各国の15〜64歳の男女を対象に行った「国際比較調査」によると、アメリカは「約8時間15分」、ドイツが「約8時間」であるのに対し、日本は「約7時間20分」と主要国の中でも少ない結果が出ています。
また、厚生労働省が2015年11月に行った「国民健康・栄養調査」によれば、一日の平均睡眠時間が5時間以上〜7時間未満の割合が年々増加しており、5時間以上6時間未満の割合は、31.1%にまで増えています。
また、「睡眠の確保の妨げになっているものは何か?」という質問に対し、平均睡眠時間が6時間未満の男性で最も多かったのが「仕事」で37.7%、女性は「家事」で21%となっており、日本のライフスタイルが大きく影響していることがみてとれます。
<参照>厚生労働省 平成27年国民健康・栄養調査結果の概要 をもとに作成
アテネ不眠尺度とは?
「アテネ不眠尺度」とは、2000年に世界保健機関(WHO)を中心に作られた、不眠度のチェックシートです。とてもシンプルなシートで、8つの質問に対し、週3回以上経験したことにチェックを付けていくというもの。評価は4段階に分かれています。質問項目は、誰でも一度は心当たりのあるものが多く、このような点からも、不眠症が身近な症状であるかがわかります。
不眠を防ぐには?すぐに実践できる5つの生活習慣
ここまで、世界と日本の睡眠時間の違い、睡眠に対する問題意識の違いについて書きました。では、私達が不眠に陥らないようにするには、日々どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
1.自分にとって適正な睡眠時間を正確に把握する
不眠を防ぐために最も大切なのが、自分にとって適正な睡眠時間を知ることです。一般的には6時間、7時間半が良いと言われていますが、必要な睡眠時間は人それぞれ。紙でもデジタルでも良いので、就寝および起床時間、翌日の体調などを正確に記録しましょう。
2.運動をする習慣を身につける
運動をすることで、適度な疲労感が生まれて寝付きがよくなります。過度な運動を継続的に行うと、寝ている最中に足がつる、交感神経が優位になって寝付きが悪くなるといった別の問題を生じることがあるので、あくまで軽い運動にとどめておきましょう。
3.自分に合った寝具を使う
相性が悪い寝具を使い続けていると、慢性的な肩こりや腰痛を引き起こし、最終的に不眠の原因になることも。ちょっとでも寝づらいと感じたら、枕、マットレスや敷布団、掛け布団を見直し、買い替えを検討しましょう。すぐに買い換えられない場合は、いま使っているマットレスの上に敷けるタイプのマットレスパッドを使うという方法もあります。
4.耳栓やアイマスクを活用する
明かりが気になって眠れない、隣人の騒音が気になる・・・という方は、アイマスクや耳栓を活用しましょう。今は、様々なアイマスク、耳栓が販売されています。自分の用途にあったものを選びましょう。
5.寝室環境を整える
眠りを妨げない寝室環境にしましょう。冷暖房は適温ですか?照明は明るすぎませんか?床はホコリっぽくないですか?少しずつ寝室環境を整えていき、不眠の原因をなくしていきましょう。
まとめ
不眠を解消するには、まず「不眠である」という自覚を持つことが大切です。アテネ不眠尺度で、「不眠症の疑いがあり」「不眠症の疑いが少しあり」と判定された場合は、ぜひご紹介した不眠解消のポイントを実践してみてくださいね。