ウレタンマットレスをご存知ですか?
近年は様々な素材のマットレスが開発され、機能性マットレスとよばれるものも増えてきています。良いものがどんどん出てきて選択肢が増えるのは良いことではありますが、一方で、素材やメーカー、種類も多岐にわたり、どのマットレスが自分に合っているのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
特に、機能性マットレスとしては長い歴史を持ち定番化しているウレタンフォームマットレスは、同じウレタンでも低反発ウレタンと高反発ウレタンがあり、その違いがよくわからない、どちらを選んだら良いのかわからない、という声もよく聞かれます。
マットレスは、私たちの毎日の睡眠の質を左右する重要なアイテムです。そこで今回は、ウレタンマットレスについて、その素材や適切なマットレスの選び方をご紹介していきます。
ウレタンフォームとは?
ウレタンフォームとは、ポリウレタンという化合物を発泡剤などによって発泡させた素材の名称です。気泡などの状態により、大きく軟質ウレタンフォームと硬質ウレタンフォームの2種類に分けられています。
軟質ウレタンフォームとは
ウレタンフォームのなかでも、気泡が多く、やわらかい状態のものが軟質ウレタンフォームとよばれています。食器用スポンジや、車のシート、自転車のサドル、椅子の座面などに使われていると聞くと、どのような素材かイメージできるのではないでしょうか。素材がとても軽く、弾力や復元性が高いというメリットがあり、また製造の際に容易に形を加工できるため、使い勝手が良く重宝されている素材です。
硬質ウレタンフォーム
反対に、気泡が硬いものは硬質ウレタンフォームとよばれており、建物や船などの断熱材、海などにある浮き、救命艇の浮力材などに使われています。気泡に含まれている成分に断熱効果があることから、断熱材としての性能は非常に高いと言われています。
マットレスのウレタンフォームとは
高反発ウレタンマットレスも低反発ウレタンマットレスも、素材は同じ軟質ウレタンフォームです。では、同じ素材なのになぜ寝心地の違いが出るのでしょうか。
低反発マットレスのウレタンフォームとは
軟質ウレタンフォームは、弾性と粘性を持つ素材です。私たちが「低反発ウレタン」とよんでいる素材は、専門的には「低反発弾性ウレタン」とよばれており、弾性が低く粘性が高くなるよう加工されています。弾性が低いため押し返す力が弱く、体重・体圧がかかると反発せずにそのまま沈みます。また、粘性が高いため、押すとやわらかく沈む感覚があります。
高反発マットレスのウレタンフォームとは
対して、私たちが「高反発ウレタン」とよんでいる素材は、専門的には「高弾性ウレタン」とよばれています。弾性が高いため、体重・体圧がかかると反発して体を押し返します。
つまり、低反発ウレタンと高反発ウレタンは、同じウレタンでも異なる性質を持つように加工されているため、寝心地に差が違いが出ているのです。
低反発マットレスと高反発マットレス、どちらがおすすめ?
では、マットレスには、低反発ウレタンと高反発ウレタンのどちらが適しているのでしょうか。3つのチェックポイントで考察してみます。
寝姿勢でチェック
マットレスに横になった際の寝姿勢で比較してみます。体重・体圧がかかるとそのまま沈む低反発マットレスの場合、体の中で最も思いとされる腰の部分が大きく沈み、軽い部分はあまり沈むことになります。体が「くの字」になってしまうため、腰に大きな負担がかかる可能性があります。
高反発マットレスは、体重・体圧が大きくかかるほど大きな力で押し返すため、重心がまっすぐに保たれます。横になったときも、まっすぐ立ったときと同じ姿勢を維持できるため、腰などに負担がかかりにくくなります。
底つき感でチェック
ベッドや床に直接マットレスを敷く場合に必ずチェックしたいのが、「底つき感」。薄いマットレスを選んでしまうと底つき感があり、腰などに痛みを感じることがあります。特に低反発マットレスの場合は、腰が沈みやすいため注意が必要です。
寝返りのうちやすさでチェック
寝返りは、寝ている間に血流が滞るのを防ぎ、体の一部分に負荷がかかるのを軽減する効果があるため、一晩の間に20回から30回、自由に寝返りをうてるのが理想とされています。
体がマットレスに沈みこんでしまうと、体を動かしにいため寝返りがうちづらくなる可能性があります。体が必要以上に沈まず重心がまっすぐに保たれているマットレスの方が、寝返りをうちやすいと言われています。
まとめ
人気のウレタンフォームマットレスについてご紹介しました。
ウレタンフォームマットレスには、高反発と低反発の大きく2種類があり、それぞれに特徴があります。素材や効果をよく比較して、自分に合ったものを選んでくださいね。