ベッドと一言で言っても、いろいろなタイプがあります。ヘッドボードのあるもの・ないもの、ソファベッド、二段ベッド、すのこベッド、畳ベッド。日本ではベッドの上に布団を敷いて寝ることもありますが、日本でも世界でも、多くの家庭ではマットレスを使っているでしょう。この記事では、マットレスの歴史について見ていきたいと思います。
マットレスが誕生したのは紀元前!?
マットレスの歴史は、実はとても古いと言われています。現在のベッドのようなもの、マットレスのようなものは紀元前から使われており、当時のマットレスは、中に藁や白鳥の羽毛など様々なものを詰め込んだものでした。ベッドの底板部分に皮紐を縦横に張ってサスペンションのようにして、その上にマットレスを置いてベッドにするというスタイル。マットレス自体の品質は現代のものほど良くなくても、そのサスペンションのおかげで弾力が生まれ、寝心地の良い寝具として愛用されていたようです。
一方で、このような技術や知識を持たなかった地域では、地面の上に直接藁を敷いて寝たり、桶の上や道具箱の上に藁を敷いて寝たりということをしていたとされています。
18世紀に大きく進化したマットレス
紀元前の時代から中世を経て何世紀にも渡って、ベッドは様々に変化や進化を遂げていきました。一方、マットレスはそれほどスタイルを変えずに何百年も使い続けられていましたが、18世紀になると色々な獣の毛を詰めたヘアマットレスが登場しました。その中でも最高ランクとされていたのは、弾力があって通気性の高い馬の尻尾の毛を詰めた「馬毛マットレス」です。「馬毛マットレス」は、現代でも高級マットレスとして販売されています。
19世紀から20世紀にかけてのもう1つの大きな発明とは?
19世紀の半ば以降、マットレスを支えるベッドのボトム面に関する発明がありました。スプリング入りボトムが登場したのです。スクリング入りボトムにも色々なタイプがあり、支持コイルの上に網を張ったもの、薄い鎖を縦横に交差させたもの、金属フレームに調整の効くワイヤーを張ったものなどが開発されました。
20世紀初頭には、今度はインナースプリング・マットレスが発明され、またボックススプリングも本格的に使われるようになっていきました。現代のベッドのスタイルは、この時期に確立されていったのです。
21世紀のマットレスは、低反発から高反発へ
大流行した低反発マットレス
現代のマットレスの代表格といえば、低反発と高反発が挙げられるでしょう。低反発寝具が一大ブームとなったのは記憶に新しく、低反発まくらやマットレスを実際に購入して使用していたという方も多いのではないでしょうか。素材の低反発ウレタンは、宇宙での衝撃吸収を目的としてNASAが開発した素材で、圧がかかるとそれに合わせて沈むという特徴があります。そのやわらかさが好まれ、高い人気を得ました。
いま注目されている高反発マットレス
そして、いまメディアなどでも注目されているのが、高反発マットレスです。高反発マットレスの素材にはいくつかの種類がありますが、すべての共通する特徴は、圧がかかると同じ力で押し返すということ。つまり、体圧が大きくかかる場所ほど強い力で押し返すため、腰が沈み込むことなく身体がしっかり支えられます。腰が楽で、寝返りを打ちやすいので朝までぐっすり眠ることができるとして、高反発マットレスに買い換える人が増えています。
まとめ
マットレスは長い時間をかけて進化を続けてきました。現代では各社が改良に改良を重ね、様々なタイプのマットレスが開発されています。素材も種類も豊富なので、きっと自分に合ったものを見つけることができるでしょう。ぐっすり眠れるマットレスを選んで、毎日快適に眠りたいですね。