妊娠中はさまざまな体調の変化が起こります。人によっても大きく異なり、普段と変わらず元気に過ごせる人がいる一方、つわりや様々な症状に悩まされる人もいます。そのなかで多くの人がかかえるのが、睡眠に関するトラブルではないでしょうか。一日中眠気が取れなかったり、夜中に目が覚めてしまったり。その症状は時期によっても変わっていきます。少しでも質の良い睡眠をとって快適に過ごすために、そのようなトラブルへの対処法について紹介していきます
いくら寝ても一日中眠い!その理由とは?
特に妊娠初期には、いくら寝ても一日中眠気が取れないという声が比較的多く聞かれます。これは疲れや睡眠不足ではなく、ホルモンバランスによるものとも言われています。
自律神経には交感神経と副交感神経があるということをご存知の方も多いでしょう。昼間に起きて活動しているときにはたらいているのが交感神経、夜寝る前や眠っている間にはたらくのが副交感神経とよばれていますが、妊娠中はホルモンバランスの影響で副交感神経が優位になるため、昼間でも眠くなりやすいとされています。
この時期に眠くなりやすいのは、体を休めることが大切な時期であるためという説もあります。仕事があると一日中寝ているのは難しいですが、もし可能であれば、眠気に逆らわずにできる範囲で体を休めるようにすると楽に過ごせるでしょう。
夜中に目覚めてぐっすり眠れない!多い症状とその対応策は?
安定期に入った頃からよく聞かれるようになるのは、様々な原因により「夜中に目覚めてしまう」というトラブルです。代表的な例を挙げてみましょう。
睡眠中の「こむら返り」
妊娠中、特に寝ている間のこむら返りに悩まされた経験のある方も多いのではないでしょうか。こむら返りとは、ふくらはぎの痙攣。「足がつる」と言われている現象です。こむら返りが起こる原因は色々な説がありますが、ミネラルなどの栄養が不足してバランスが崩れることや、下半身の血流が悪くなること、骨格のバランスが変わって筋肉が収縮することなどが原因と言われています
寝返りができずに目が覚める
お腹が大きくなってくると、その重みや筋肉のひきつれなどにより、寝ている間に苦しくなるということが生じます。寝返りを打ちづらいため長時間同じ体勢でいることも、体が痛くなる原因の1つでしょう。また、寝返りを打とうとしても思うように体が動かないため、そのまま目が覚めてしまうということもあるようです。一般的には、そのような場合は左側を下にして寝ると楽になるとも言われていますが、医師に相談してみることをおすすめします。
妊娠中の睡眠トラブルを緩和する方法とは?
つらい症状をやわらげて睡眠の質を上げることができれば、今より少し快適に過ごせるようになるでしょう。妊娠中の睡眠改善に良いとされている方法をご紹介します。
散歩や軽い運動をする
現在は、安定期に入ったら歩いたり軽い運動をしたりすると良いということが一般的に言われています。体を動かすことには様々なメリットがありますが、血行が良くなることで睡眠中のマイナートラブルの軽減が期待できるという点が、大きなメリットでしょう。
妊娠中に勧められることが多い運動の代表例といえば、散歩やウォーキング、そしてマタニティヨガが挙げられます。ヨガはゆっくり体を動かす運動ですが、呼吸を整えてリラックスする効果もあると言われており、妊娠中の女性に大変人気があります。自治体や色々な団体がマタニティヨガレッスンを開催しているので、興味があれば調べてみると良いでしょう。
ただしどのような運動も、体に負担をかけることがないよう無理なく行うのが基本です。医師に相談したうえでまずは短い時間から少しずつ始め、できる範囲で距離や時間をのばしていきます。なお、もしも体調が悪くなった場合はすぐに体を休め、診察を受けてください。
体を温め、食事を工夫する
トラブルを緩和して睡眠の質を上げるには、お風呂にゆっくり入って血行を良くするのも良いとされています。また、体を温める食材やミネラルを多く含む食材を取り入れることも勧められることがありますが、どのような栄養であっても過剰摂取にならないよう、適量をバランスよく取り入れることを心がけたいです。
まとめ
妊娠中は、不安や心配ごとも多い反面、とても楽しい時間でもあります。睡眠はもちろん大切ですが、もっとも重要なのは、ストレスなく過ごすこと。無理せずできる範囲で良い環境を整え、楽しくおだやかな毎日を送れるようにしたいですね。