数年前から流行している糖質制限ダイエット。試してみた方も多いのではないでしょうか。ダイエットとしては効果があったという声も聞かれますが、一方で寝付きが悪くなった気がするという声もあります。実は、過剰な糖質制限は睡眠に影響をもたらすということがわかってきています。
過剰な糖質制限でなぜ寝付きが悪くなるのか、その注意点や、適切な糖質制限の方法について紹介します。
過剰な糖質制限にはリスクもある?
糖質制限は、今や日本ではダイエットの手段の一つとして一般的に知られるようになりました。しかし一方で、方法を誤ると栄養バランスに問題が生じ、体調不良などの原因になる可能性も指摘され始めています。
糖質の推定必要量は、厚生労働省から発表されています。厚生省が作成した日本人の食事摂取基準(2015年版)では、性別・各年齢別に定められた必要エネルギー量のうち、糖質の推定必要量は50~65%という指針が出ています。
参照:日本人の食事摂取基準(2015年版)151ページ(厚生労働省)をもとに作成
この指針は年齢や体重における平均値であり個人差がありますが、この数値を下回った場合、体調に何らかの影響を与える可能性が高いとされています。糖質制限ダイエットは、短期間で多くの人が体重を落とすことに成功していることから夢のような方法と思われていますが、一方で、不眠、だるさ、めまい、時には大きな病気につながることもあるなどリスクもあるという点を理解しておくことは必要でしょう。
糖質制限をすると、なぜ寝付けなくなる?
糖質と睡眠には関連があるとされており、糖質制限をすると寝つきが悪くなると感じる方も多いようです。その理由を解説します。
血糖値に大きな変動がなくなるため
ご飯やパン等の炭水化物を摂取すると、血糖値は一時的に上昇するということは一般に知られており、それが日中の睡魔と関連があると言われています。しかし、糖質制限中は常に低血糖に近い状態下のため、血糖値に大きな変動がありません。そのため、眠気がなかなか訪れず、寝付きの悪さにつながってしまうのです。
精神が不安定になるため
心身を安定させたり、体内時計を調節したりするとされる体内物質は糖質を制限する脳へ到達しにくくなります。その物質は体内で別の物資を生み出し、イライラや体内時計の調節ができなくなったりして、寝付きに影響してしまうとされています。
注意!睡眠不足を招きやすい糖質制限方法とは
睡眠不足にならない、適切な糖質制限の方法とは?5つの方法をご紹介します。
1.急激な糖質制限
糖質制限で最も大切なのは、自分の体調や体質に合わせて進めることです。糖質を制限することで不健康になってしまっては本末転倒。体調を崩さないよう、しっかり管理しながら制限をかけていくことが基本です。体重や体調を記録しながら進めていきましょう。
2.慢性的な空腹状態
急激に糖質を減らすと低血糖状態に陥りやすくなり、抵抗力が弱まる、筋力が落ちるなどの弊害が出て、睡眠不足や体調不良を引き起こすことがあります。あせらずに、徐々に制限していきましょう。
3.夕飯を抜く
空腹のままでは、ぐっすり眠ることができません。睡眠のことを考えて、夜はきちんと食事をとりましょう。ただし胃もたれなどを防ぐため、就寝の3時間前までに食事をすませておくことをおすすめします。
まとめ:糖質制限は自分の体質と体調を見ながら行うことが大切
糖質制限で最も大切なのは、自分の体調や体質に合わせて進めることです。糖質を制限することで不健康になってしまっては本末転倒。体調を崩さないよう、しっかり管理しながら制限をかけていくことが基本です。体重や体調を記録しながら進めていきましょう。