ヨガとは、紀元前4000年から2500年頃にインド(インダス文明)で誕生したと言われる修行法。近年、そのポーズや呼吸法をエクササイズとして取り入れる健康法が広まっており、日本でも広く取り入れられています。
ヨガというと、体がやわらかい人がとる難しいポーズというイメージがありますが、実は大切なのは呼吸法。正しい呼吸によって神経を落ち着かせることで、睡眠にも良い影響を与えることが期待されています。
ヨガで期待される効果とは
ヨガは体に良い効果がたくさんあると言われています。医学的に証明されていることではありませんが、その効果は広く伝えられており、それを実感している人も数多くいます。精神面、運動面、体調面への効果として、さまざまな本などで言われている事柄をそれぞれ3つずつご紹介します。
精神面への効果
・正しい呼吸を身につけることによって集中力が高まる
・高ぶっていた神経がリラックスする
・疲れが取れてストレスが解消される
運動効果
・体が柔軟になる
・身体をよく伸ばす動きが多いため、肩こりや腰痛などの予防や軽減にもつながる
・体に筋肉がつき、引き締まって脂肪がつきにくくなる
体調全般への効果
・骨の歪みが矯正される
・正しい姿勢をとれるようになり内臓に良い影響を与える
・ホルモンバランスや自律神経が整う
睡眠前におすすめの簡単なヨガポーズ
質の高い睡眠をとるためには、リラックスして自律神経を睡眠モードに整えるのがポイント。寝る前にヨガのポーズをとることで、呼吸をゆっくり整えて自律神経を睡眠モードに切り替えることができ、睡眠に良い影響を与えるとされています。
本来、ヨガは呼吸が基本。正しい呼吸法を自分で身につけるのは難しいですが、まずはポーズを真似してみるだけでもじゅうぶん効果があるでしょう。ここでは、簡単にできるヨガポーズと呼吸法をご紹介します。
合せきのポーズ(バッダ・コーナ・アーサナ)
1. あぐらをかき、両足の裏を合わせます。かかとをできるだけ体に引き寄せ、3回呼吸をします。
2. 息を吐きながら状態を前に倒します。倒した状態で5回呼吸をします。
3. 息を吸いながら体を起こします。
チャイルドポーズ
チャイルドポーズにもいくつかの方法がありますが、ここではそのうちの一つをご紹介します。
1. いわゆる四つん這いの姿勢になります。両手を肩幅に開き、両足は腰の幅に自然に開きます。
2. 息を吐きながら、かかとの上におしりをゆっくり下ろします。両手を伸ばしたままゆっくり体を前に倒していきます。両手は、歩くような感じで前に少しずつ進めていきます。
3. おでこが床についたら力をぬき、ゆっくり5回呼吸をします。
4. 息を吐きながらゆっくり体を起こします。これを3セット繰り返します。
瞑想の呼吸法
「瞑想」という言葉に非現実的なイメージを持つ方も多いかもしれませんが、ここでご紹介したいのは、寝る前に目を閉じて呼吸を整え、緊張状態にある神経を鎮めるためのリラックス法。瞑想の準備段階として紹介されている呼吸法をご紹介します。簡単な方法ですので、ぜひ試してみてください。
1. あぐらの体勢で座ります。慣れていない人は足がグラグラと動きやすいので、安定して座れる体勢に調整します。
2. 背筋をしっかり伸ばします。背筋を伸ばす方法としてよく言われるのが、頭を上から引っ張られるように伸ばすというもの。慣れていないと、この姿勢をとるだけでも疲れるかもしれません。無理のない範囲で、少しずつ進めましょう。
3. 手は膝の上に軽くおきます。ヨガでは手のひらを上に向けるのが一般的です。
4. 鼻からゆっくり息を吸います。少し息を止めてから、倍の時間をかけてゆっくり息を吐きます。ヨガの基本は腹式呼吸。お腹に意識を集中させて息をしてみてください。最初はこの呼吸がとても難しいのですが、少しずつ自然にできるようになっていくでしょう。
5. この状態で10回ゆっくりと呼吸をします。終わったらゆっくり目を開けます。
睡眠の本として有名な「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」の著者ショーン・スティーブンソン氏も、毎朝瞑想の時間を設けているとその著書の中で語っています。1日の生活リズムを作るのにも良いとされる瞑想。自分に合うという方は、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ヨガは気軽に始めやすく、様々な効果が期待できることから、ヨガ人口は年々増えていると言われています。運動不足の解消や肩こり・腰痛予防のためにエクササイズとして始める人も多く、ヨガ教室は各地にどんどんつくられています。
ヨガを続けていると心身ともに健康になり、睡眠にも良い影響を与えることが期待されています。簡単なポーズで身体をのばして呼吸をととのえるだけでも、1日の疲れを解消してリラックスすることができるでしょう。まずは寝る前の数分間、ストレッチの代わりに始めてみませんか?