2018.02.09

睡眠の質を左右するのは体温!?眠れないときに試したい体温調整法

睡眠中の人間の体温、何度位になっているかご存知ですか?
体温には、深部体温と皮膚温度の2種類があります。深部体温とは、体の中の温度。皮膚温度は、文字通り体の外側の皮膚の温度です。この2つの温度の関係が眠りの質を左右しているということが、研究により判明しています。

あなたがもし「なかなか眠れない」「ぐっすり眠れない」と感じているなら、体温を管理・調整することで解決するかもしれません。睡眠と体温の関係、そして良質な睡眠をとるための体温調整法について紹介していきます。

赤ちゃんは、眠くなると手足があたたかくなる!?

睡眠の質を左右するのは体温!?眠れないときに試したい体温調整法

赤ちゃんの手足が、眠くなるとあたたかくなることをご存知でしょうか。
人間の体温は、昼間起きているときは深部体温が高く、皮膚温度は低くなっていると言われています。眠っているときはその逆で、深部体温が低く皮膚体温が高くなります。なかでもノンレム睡眠中(深い眠り)は、レム睡眠中(浅い眠り)よりも深部体温が低いことがわかっています。

眠りに入るとき、人間の体は深部体温を下げようとするため、手足の血流を増やして皮膚の毛細血管を広げ、熱を発散しやすくします。赤ちゃんの手足があたたかくなるのは、このためなのです。実は赤ちゃんだけでなく大人も同じ方法で深部体温を下げているのですが、赤ちゃんの方が顕著でわかりやすいということです。

睡眠中、深部体温はなぜ下がる?

深部体温が下がることにより、脳の温度が下がり、代謝機能も低下します。それによって脳など体全体が休みに入り、昼間の疲れを回復させるのです。深部体温をしっかり下げるというのは、休息をとるためにも非常に大切。なかなか眠れなかったり、睡眠をとったはずなのに昼間眠気におそわれるといった場合、深部体温がしっかり下がりきっていない可能性があります。

雪山で眠くなる理由、眠ってはいけない理由

睡眠の質を左右するのは体温!?眠れないときに試したい体温調整法2

スキー場でリフトに乗っていたら眠くなったという経験はありませんか?また、雪山で遭難したときは眠ってはいけないと言われているのをご存知でしょうか。それにも深部体温が関わっています。

スキー場など雪山で眠くなる理由

雪山で眠くなる理由は2つあると考えられています。
一つ目は、雪山に長時間いることにより体の中まで冷えてしまい、深部体温が下がること。そしてもう一つは、体が冷えすぎたことにより脳が危険を察知して、体力を温存するために最低限の臓器運動以外を休ませてしまうことです。生きるために最低限必要な心臓や肺などは動かし、それ以外の部分を休ませようとするために、体が眠くなってしまうのです。

雪山で眠ってはいけない理由

「雪山で遭難したときは眠ってはいけない」というのは有名な話。これも深部体温と深く関わりがあります。雪山に長くいると体温が下がります。最初は体を震わせて熱を発生させることにより体温を上げようとしますが、徐々に深部体温が下がり眠気におそわれます。そこで寝てしまうと、深部体温がさらに下がって低体温の危険な状態に陥ります。雪山では決して眠ってはいけないというのは、そのような理由からなのです。

良質な睡眠のために試したい深部体温調整法

睡眠の質を左右するのは体温!?眠れないときに試したい体温調整法3

ここまでは、睡眠と深部体温の関係をご紹介してきました。ここからは、それを利用して意図的に深部体温を下げて睡眠の質を上げる方法をご紹介します。

就寝の1時間半前に入浴する

お風呂につかると、体があたたまります。ぬるめのお湯にゆっくりつかると体の中までしっかりあたたまり、深部体温が上がります。深部体温が上がると、次に下げようとする力がはたらき、手足の血管が拡張して毛細結果から熱を放射して深部体温を下げようとします。上がった深部体温がしっかり下がるのは、入浴の1時間後。そのタイミングで寝るのがベストと言われています。

お風呂の温度は40度の少しぬるめが良いとされています。熱いお湯につかると脳を刺激して目覚めさせてしまうというのがその理由。逆にぬるすぎると深部体温が上がらないため、お湯は40度前後にセットしましょう。

夕方に運動をする

深部体温が最も上がるのは、起床の11時間後。つまり17時から18時頃です。この時間に軽い運動をすると深部体温が上がり、寝る時間になると下がりやすくなると言われています。激しい運動をすると脳に刺激を与えてしまうので、負荷の少ないジョギングやウォーキング程度がおすすめ。仕事帰りに歩く、帰ってから軽くジョギングに行くなど少し体を動かすと、深部体温が上がりやすくなるでしょう。

まとめ

睡眠と体温の関係についてご紹介しました。人間の体は、眠っているときは深部体温が下がって体を休めるモードになっています。それを利用して、深部体温を意図的に下げることで良い睡眠に導くことができるそうです。少し意識するだけで睡眠環境は変わります。ぜひ試してみてください。

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