「睡眠慣性」という言葉を聞いたことがありますか?睡眠慣性とは、ひとことで言うと、体が起きていても脳がまだ目覚めていない状態のこと。朝起きてもなかなか目が覚めず、体のだるさを感じたりボーッとしてしまったりする場合は、睡眠慣性が原因になっている可能性があります。
朝起きたら脳も一緒に覚醒するのが本来の目覚めですが、何らかの原因で脳が覚醒せず、気づいたら二度寝をしていたり、体がなかなか動かなかったりする状態。これは、睡眠の質と朝起きたときの習慣が大きく影響しています。
睡眠慣性を引き起こす原因3つ
では、なぜ睡眠慣性が起こってしまうのでしょうか。主な原因を3つご紹介します。
睡眠時間が足りない
当然のことながら、睡眠不足のまま朝を迎えると脳がすっきり起きることができず睡眠慣性がはたらいて目覚めが悪くなってしまいます。人間に必要な睡眠時間は1日8時間とも言われます。じゅうぶんな睡眠時間を確保して、しっかり眠りましょう。
睡眠の質が悪い
睡眠の質が低下していると、眠りが浅くなりぐっすり眠ることができず、朝の目覚めの悪さにつながってしまいます。まずは寝る前の習慣を改善し、睡眠の質を上げましょう。たとえば、寝る前のコーヒーや深酒が良くないことは知られています。そのほか、寝る直前までテレビやスマートフォンを見ていたり仕事をしていたりして脳が覚醒した状態で眠ることも、睡眠の質低下につながります。
目覚まし時計を鳴らすタイミングが悪い
人間の睡眠サイクルは、深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠を繰り返しているということが知られています。ノンレム睡眠中は、脳も体もぐっすり眠っている状態。このときに目覚まし時計を鳴らして無理やり起きると、脳が目覚める睡眠慣性状態になってしまいます。
睡眠慣性をなくすための生活習慣改善ポイント
では、睡眠慣性をなくして朝すっきり目覚めるにはどのようにすれば良いのでしょうか。睡眠慣性を防ぐ睡眠習慣・生活習慣をご紹介します。
寝る前にリラックスタイムを設ける
脳が興奮した状態で寝てしまうと、ぐっすり眠れず睡眠の質が低下してしまいます。寝る前にリラックスタイムを設け、脳を休めて睡眠モードに切り替えましょう。
睡眠時間を確保して、毎日同じ時間に起床する
すっきり目覚めるには、しっかり睡眠をとることが最も重要です。そしてできるだけ早寝早起きをして、毎日同じ時間に起きるのがポイント。毎日同じ時間に起きることによって体に生活リズムができるため、決まった時間に目を覚ましやすくなります。万が一夜寝るのが遅くなってしまっても、できれば朝は同じ時間に起きるのが理想。また、休日にたくさん寝てしまうと生活リズムが変わってしまうので、なるべく休日も同じ時間に起きて、夜早く寝ることで睡眠時間を確保するのがおすすめです。
レム睡眠時間に起きる
レム睡眠とは、体は眠っていて脳は起きている状態。朝すっきり目覚めるには、レム睡眠中のタイミングで起きるのが理想です。
この睡眠サイクルは、一般的には90分単位と言われています。寝入って最初の90分はノンレム睡眠、次の90分はレム睡眠、そしてまた次の90分はノンレム睡眠、、というサイクル。しかしこれはあくまで一般的な目安で、実際には個人差があります。自分が何時間睡眠ですっきり目覚められるのかというパターンをつかんで、そのタイミングに合わせて起きるようにすると良いでしょう。
朝起きたらテレビをつける
人間の脳は、テレビの刺激により覚醒しやすいという特徴を持っています。特に朝のニュースは効果的で、興味を引かれることにより脳が活性化しやすいとのこと。朝起きたらテレビのニュースをつけるのを習慣にしてみることで、朝目覚めやすくなる可能性があります。
ストレッチをする
体と脳を目覚めさせるには、ストレッチも有効です。凝り固まってしまった体をほぐして血行を良くすることで、体も脳もすっきり目覚めるでしょう。できる方はヨガで呼吸をととのえるというのもおすすめです。
まとめ
睡眠慣性と、その予防法についてご紹介しました。寝起きが悪いと感じている方は、睡眠慣性が原因になっている可能性があります。睡眠習慣・生活習慣を見直して、朝の目覚めを改善しませんか?