寝不足が続くと、お腹が痛くなったり、お腹の調子が悪くなったりすることがあるという方もいるのではないでしょうか。実は、寝不足と腹痛には大きな関係があることがわかっており、放置してしまうと、腹痛が常態化して過敏性腸症候群になることもあります。
今回は、過敏性腸症候群が起こるメカニズムと、改善するポイントをご紹介します。
過敏性腸症候群と寝不足の関係性
過敏性腸症候群(IBSと言われることもあります)とは、胃腸に炎症が見られないのにもかかわらず、下痢や便秘が連日にわたって続く疾患のこと。現代人が多く発症している症状の1つとされています。また、過敏性腸症候群は、「下痢型」、「便秘型」、「混合型」の3つに分類され、男性は「下痢型」が女性は「便秘型」が多い傾向にあります。
過敏性腸症候群が起こる原因ははっきりと解明されていませんが、現状ではストレスが大きな原因とされています。腸のぜんどう運動は、腸内の神経組織と自律神経によってコントロールされています。しかし、寝不足、疲労、極度の緊張によってストレスがかかると自律神経が不安定になり、正常なぜんどう運動ができなくなるとされています。薬を飲めば症状は一時的に改善されますが、根本的なストレスが改善されないと症状は快方に向かわず、長期化することもあります。
過敏性腸症候群がもたらす睡眠への影響
では、過敏性腸症候群は睡眠にどのような影響を与えるのでしょうか? 3つご紹介します。
腹痛や便秘が原因の中途覚醒
過敏性腸症候群は精神的な部分に大きく依存します。腹痛や便秘で中途覚醒してしまったという経験があると、不安感から腹痛や便秘による中途覚醒が頻発してしまいます。
寝入り時や寝起き時におそわれる腹痛
家の中ではなく、会社や学校など外部にストレスの要因がある場合、それが原因となって、寝入りや寝起きのタイミングで腹痛に見舞われることがあります。
腹痛や下痢による体力や睡眠の質低下
腹痛や下痢が続くと、食が細くなり体力が落ちてしまいます。体力が落ちると深い睡眠をとれなくなるため睡眠不足になります。寝不足→腹痛→寝不足という悪循環に陥ってしまうのです。
過敏性腸症候群を改善する5つのポイント
過敏性腸症候群を改善するには、日々の生活を見直すことが何より重要です。改善に必要なポイントを5つにまとめて紹介します。
1.早食いをしない/ガムや炭酸飲料は避ける
過敏性腸症候群では、お腹が張りやすくなります。腸に空気がたまる原因になる早食い、空気を飲み込みやすいガムや炭酸飲料の摂取は控えましょう。また、話しながら食べるのも、空気をお腹に溜める原因になるので注意しましょう。
2.適度に運動をする
腹痛や便秘が続くと家にこもりがちになってしまいますが、運動は身体をリフレッシュさせるうえでもとても大切。できれば毎日続けましょう。ただし、運動をすることでストレスが溜まってしまうようであれば逆効果なので、普段運動をしない人は散歩など精神的にも肉体的にも負担にならない運動から始めましょう。
3.早寝早起きをする
腹痛で夜遅くまで眠れないこともあるかもしれませんが、できるだけふだん通りの生活リズムを心がけましょう。生活リズムが狂うと睡眠不足になり、症状が長期化しやすくなります。
4.善玉菌が増える食事を摂るようにする
納豆、キムチなどの発酵食品を積極的にとりましょう。ただし、塩分や糖分が多く含まれているものは、胃腸に負担をかけるので注意が必要です。できれば、余計な塩分・糖分や合成保存料などが入っていない無添加のものを選ぶことをおすすめします。
5.リラックスする時間を作る
腹痛や便秘が連日続くとストレスが溜まりやすくなり、そしてそのストレスが更なる過敏性腸症候群を引き起こすという悪循環につながります。イライラしている時は、寝る前にアロマオイルを焚いたり、ヒーリング音楽を聴いたりして、リラックスできる時間を作りましょう。
まとめ
いかがでしたか。
腸の異常はつい食生活が原因と考えがちですが、実は深く脳やメンタルと密接に関わっています。ストレスを緩和し、不規則な生活を控えて健康的で規則正しい生活を心がけましょう。