頭痛持ちの方のなかには、片頭痛でなかなか寝付けなかったり、寝すぎてしまって起きたら頭が痛くなったりという経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。片頭痛はたかが頭痛と思われがちですが、時には睡眠の妨げになったり、日常生活に支障をきたしたりすることもあります。片頭痛の原因は人によって様々ですが、なかには睡眠と関連のある頭痛もあります。今回は、この睡眠と関連のある片頭痛について、そしてそれを改善するポイントについて解説していきます。
そもそも片頭痛とは?
片頭痛とは、頭の片側、または両側の血液の脈動に合わせて痛みが生じる頭痛で、「偏頭痛」と表記されることもあります。片頭痛の症状の度合いは様々で、軽い場合は耐えられる痛み程度ですが、重度になると吐き気を催すこともあります。
頭痛の痛みが来る前に「閃輝暗点(せんきあんてん)」という症状が起こるという人もいます。閃輝暗点とは、片頭痛の予兆として生じるもので、視界の一部に太陽のギザギザのような模様が現れて、視界が欠損するという症状。この閃輝暗点は数分経つとおさまり、その後頭痛が発生するというケースが多いようです。
片頭痛の原因は?
片頭痛は一般に広く知られている病気の一つですが、実は未だ原因は明らかになっていません。現在のところ、主な原因とされているのは「血管の収縮と拡張」「三叉神経への刺激」の二つで、過度なストレス、不規則な生活、寝不足、過眠、高血圧といった状態が引き金になると考えられています。特に、過眠や寝不足といった睡眠との関係が指摘されており、睡眠改善により良くなるケースもあります。
片頭痛とそれ以外の頭痛の違いは?
寝不足で引き起こされる頭痛には、片頭痛以外にもいくつか種類があります。
緊張型頭痛
片頭痛と違い、頭全体がギューっと締め付けられるような痛みを生じます。寝不足に加え、長時間のデスクワークによる筋肉の凝り、ストレスなどにより起こることがあります。
後頭神経痛
名前の通り、後頭部を中心に痛みが生じます。片頭痛との違いは、脈動と連動しない点にあります。頭皮を触るだけでビリっと痛むこともあり、低気圧やストレス、寝不足との因果関係が指摘されています。
群発頭痛
片目をえぐられるような耐え難い痛みが発生するのが特徴です。頭の痛みだけでなく、眼の充血や鼻汁といった症状も起きます。主に、寝不足、飲酒が原因とされています。
それぞれの違いを判断するポイントは、痛み方です。どれも基本的には慢性型頭痛に含まれますが、大きな病気が原因になっている可能性もあるので、痛みが引かない場合は、脳神経外科、神経内科、また頭痛外来などの受診をおすすめします。
これで片頭痛を予防!睡眠の質を高めるための5つのポイント
睡眠リズムを整える
寝不足や寝過ぎがきっかけになって片頭痛を生じることがあります。まずは毎日適正な睡眠時間と質を確保し、睡眠リズムを整えましょう。もし可能であれば、自分にとってベストな睡眠時間を記録して、それにあわせて生活リズムを変えていくのがおすすめです。
寝具を見直す
敷布団やマットレスがやわらかすぎたり、へたっていたりすることが原因で、睡眠の質が低下したり、寝返りをうまく打てずに体に疲れがたまってしまったりすることがあります。一度自分の敷布団やマットレスを見直してみましょう。体をしっかり支えてくれて、寝返りを打ちやすいマットレスを選ぶのがおすすめです。
適度な運動をする
運動不足と片頭痛の直接の因果関係は明らかになっていませんが、適度な運動をすることにより、ストレス解消、生活習慣の改善、睡眠の質向上、そしてそれによる片頭痛の緩和が期待されます。もし運動不足を感じているようであれば、夕方にウォーキングやストレッチ、ヨガなどを取り入れてみると良いでしょう。
暗い寝室でのスマートフォンを控える
これも片頭痛との直接の因果関係は明らかになっていませんが、暗い部屋でスマートフォンの光を見ることにより片頭痛が悪化する可能性があります。スマートフォンは明るい部屋で使用しましょう。
お酒やコーヒーは体調に合わせて慎重に
お酒は血管を拡張し、コーヒーは血管を収縮します。頭痛にも血管が拡張して痛くなるタイプと収縮して痛くなるタイプがあり、そのタイプによってはお酒やコーヒーで緩和されることもあります。ただし、自己判断は禁物。基本的にはお酒やコーヒーなどは控え、場合によっては医師に相談するのが良いでしょう。
まとめ:痛みを我慢せず、日々の生活を改善して対処を
片頭痛は大きな病気ではなく、1日から数日で改善するため頭痛薬を飲んでしのいでいる人がほとんどでしょう。しかし、そのままにしておくと悪化して、日々の生活にも大きく影響が出てしまいます。放置せずに、日々の生活を改善し対処していきましょう。そしてそれでも治らない場合は、専門医に相談することをおすすめします。