私たちが1日に必要とする水分量は、1.5リットルから2リットルと言われています。人間の体の半分以上を占めていると言われる水分。大人の場合は年齢によって体の50%から65%、子供は約70%、赤ちゃんはそれ以上を占めているそうです。
体を健康に維持するために水分摂取が重要というのは、誰もが理解していること。では、水分が不足すると体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。水分不足が体に与える影響、そして睡眠との関係について解説していきます。
水分はなぜ必要?水分の役割は?
体の中にある水は、生命活動に必要な様々な役割を持っています。
体温の調節
暑い日やスポーツ時などに出る汗は、体温調節の役割を担っています。体の表面に水分を出すことで、それが蒸発するときの気化熱により体温を下げます。人間は体温が1度上がっただけでも体の調子が悪くなってしまうため、体温調節はとても重要。特に汗をたくさんかく時は、適切な水分補給が重要になります。
栄養分や酸素を運ぶ
血液は、栄養分や酸素を細胞など体の隅々まで運んでいます。血液の成分の半分以上は水分。体の中に必要な物質を行き渡らせるためにも、水分は重要な役割を果たしているのです。
体をアルカリ性に傾け、老廃物を排出する
血液は、栄養分や酸素を運ぶだけでなく、老廃物や不要物を腎臓などに運ぶ役割も持っています。また、代謝によって酸性に傾いてしまった体液は腎臓でアルカリ性に戻されますがそれにも水分が必要。腎臓では、届いた物質を必要な成分と不要な成分に分け、そこで不要と判断された酸や不要物質を水分と一緒に体の外に排出しています。
水分が不足するとどうなる?
のどが渇く
のどが渇いたから水を飲む、というのは、実は水分補給のタイミングとしては遅いというのをご存知ですか?のどが渇くというのは、すでに水分が不足している状態。そうなる前に水分補給をすることが必要です。
頭痛、吐き気、顔の紅潮、疲れやすくなる、体の動きが悪くなる
暑い夏などに、頭が痛くなったりフラフラしたりした経験はありませんか?急激な体調不良は、水分不足からきている可能性も高いです。暑い日や、汗を大量にかいたときなどは、普段以上の水分補給が必要です。
体が危険な状態になることも
先述の通り、人間の体の半分以上は水分が占めています。その必要量の10%以上が不足すると、血液の濃度が高くなって「ドロドロ血」と呼ばれる状態になってしまい、血管が詰まりやすくなったり、意識を失ったりと非常に危険な状態になります。体を健康に保つために、水分はとても大切なのです。
「睡眠前にコップ1杯の水を飲む」その理由は?
寝る前にはコップ1杯の水を飲んだ方が良いと言われています。なかには、脚のむくみが気になるからと飲まないようにしている方もいるかもしれませんが、睡眠前の水分摂取はとても重要。その理由と摂取方法をご紹介します。
睡眠前に水分補給が必要な理由
人間は睡眠中に汗をかきます。その量は季節差がありますが、成人の場合、一晩で平均ペットボトル1本分(500ml)、真夏には1リットルにものぼることもあるとか。睡眠中に水分が不足していると、血液の濃度が高くなって流れが悪くなってしまうため、それを防ぐために睡眠前の水分補給が必要とされています。
睡眠前はカフェイン以外が理想
寝る前にカフェインを摂取すると、脳が覚醒して睡眠の質が低下し、利尿作用により夜中に目覚めてしまう可能性があります。夜はカフェイン摂取を控えましょう。
睡眠前は冷たい飲み物を控える
深部体温という言葉をご存知でしょうか。深部体温とは、体の内部の体温のことで、昼間活動しているときは高く、寝ているときは低くなります。入浴などで体をじゅうぶんに温めると、手足など末端から熱が放出されて深部体温が下がり、体が眠りの態勢に入っていきます。しかし、冷たい飲み物で体を冷やしてしまうと深部体温が下がりにくくなってしまい、眠れなくなったり、睡眠の質低下につながったりします。寝る前に摂取するのは、冷たい水ではなく常温または温かい飲み物がおすすめです。
寝る30分前の水分摂取がおすすめ
一般的に、水分をとるのは寝る直前より30分程度前の方が良いと言われています。特に脚などのむくみが気になっている場合は、寝る直前に飲むとむくみやすくなるというのがその理由。ただし諸説ありますので、体調に合わせて試してみると良いでしょう。
朝起きたらコップ1杯の水分補給
夜寝ている間に汗などで水分が排出されてしまうため、朝は水分不足状態になりがちです。血液の濃度が高くなってしまっている場合も多いため、朝起きたらコップ1杯の水を飲むことを習慣づけましょう。
まとめ
水分不足が体に与える影響や、睡眠前後の水分補給についてご紹介しました。水は私たちの活動になくてはならないもの。不足すると体の危機にまで発展することがあります。ぜひ適切な水分補給をこころがけましょう。