国連が毎年発表している「世界幸福度報告書」をご存知でしょうか。世論調査で各国民の感じている幸福度を数値化し、集計して順位をつけている報告書です。その2016年版では、日本は157ヶ国中53位でした。
1位に輝いたのは、デンマーク。高福祉の国として知られ、平和でゆったりと暮らしているイメージを持つ方も多いでしょう。そんな「幸せな国」の睡眠事情について、調べてみました。
デンマーク人は1日何時間眠る？日本とデンマークの睡眠時間比較
日本人は睡眠時間が短く、欧米人はもっとたくさん寝ているというイメージがあります。それは本当なのでしょうか。筆者の友人のデンマーク人に聞いてみました。
日本人は睡眠不足！？
経済協力開発機構の2014年の調査データによると、世界的に見ると日本人は睡眠時間が短く、特に女性だけを見てみると、日本人女性は睡眠時間が世界一短いそうです。忙しくて夜遅くまで働く傾向がある日本では、どうしても睡眠時間を削って働いてしまいがち。さらに女性の場合は、そういった家族より早く起きて朝食・お弁当作りをし、夜は夕食の後片付けなどをしているため、睡眠時間がさらに短くなってしまう傾向があります。
デンマーク人の睡眠時間は？
この調査によると、デンマーク人の平均睡眠時間は日本人よりも20分ほど長いものの、ヨーロッパ諸国のなかでは短い方だということです。実際、筆者の友人のまわりには、毎晩6～7時間という人が多いです。それほど長いという印象はありませんが、ただしそれは、仕事に追われて睡眠時間を取れない日本人とは状況が大きく異なるようです。
デンマーク人に聞いた、デンマークの暮らし
デンマーク人の労働時間は、平均すると週37時間程度。子どものいる女性はもっと短い場合もあり、逆に男性や子どものいない女性はもっと長く働くこともあります。ただし、いずれも残業はあまりしません。家族と良い時間を過ごすことがとても大事だと考えられていて、家族を持つ人は、仕事が終わるとすぐに家に帰ります。また、家族を持っていない人は、友人などと楽しい時間を過ごします。
デンマークにはHygge（ヒュッゲ：居心地がいい時間や空間）という価値観があるそうです。大好きな人たちと食事をしながら、話したりお酒を飲んでリラックスしたりして心地よい時間を過ごすことを意味しており、デンマーク人はこの考え方を非常に大事にしています。仕事ばかりではなく、その他の時間も大切にして充実させるということです。
日本人とは大きく違う！？デンマークの子どもの睡眠事情
次に、子どもの睡眠事情について見てみましょう。デンマークの子どもの睡眠環境は、日本とは少し異なるようです。
赤ちゃんの昼寝は冬でも外で！？
デンマークでは、赤ちゃんは家の中よりも外で寝たほうが良いとされています。その目的は、赤ちゃんに綺麗な空気をたっぷり吸わせること。デンマーク人は、自分の国は空気がとても綺麗だということに誇りを持っており、赤ちゃんには外の空気を吸わせるべきだという考え方があります。たとえ真冬であっても昼寝の時間になったらわざわざベビーカーで外に連れて行って寝かせるのだそうです。
川の字は0歳児のみ！？子どもは1人で眠る
日本では、子どもがある程度大きくなるまでは親と同じ部屋で寝ることも多いですが、ヨーロッパでは違います。赤ちゃんの頃は親と同じ寝室にベビーベッドを置いて眠ることも多いですが、1歳を過ぎて歩けるようになると自分の部屋が与えられ、1人で寝るようになるのです。最初は1人で寝るのを嫌がりますが、それでも親のベッドで寝かせることはせず、1人で寝るように話して聞かせます。
まとめ
この記事では、デンマークの睡眠事情について紹介しました。「世界一幸せな国」であるデンマークでは、ワークライフバランスを大切にしています。「ライフ」の時間をきちんと確保して充実した日々を過ごしているからこそ、「幸せな国」と国民が感じているのでしょう。私たちもワークライフバランスを考え、毎日を幸せに暮らしたいですね。
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