「平日は寝不足だったから、週末は寝だめをしたい・・・」と思ったことがある人は少なくないと思います。寝不足が続いた後の寝だめは格別で最高の時間ですよね。しかしこの寝だめが、実は慢性的な睡眠不足を招く原因となる可能性を持っていることをご存知でしょうか?この記事では、寝だめが寝不足を招く理由と、良い寝だめの方法についてご紹介します。
「悪い寝だめ」は睡眠不足をさらに悪化させる?
寝だめには、「良い寝だめ」と「悪い寝だめ」があります。「良い寝だめ」とは、眠気や疲労を感じている場合に早めにベッドに入って多めに睡眠を取ること。そして「悪い寝だめ」とは、眠気や疲労を感じてはいないにもかかわらず多めに睡眠を取って今後に備えることを指します。「悪い寝だめ」を続けていると、逆に睡眠不足になってしまったり、睡眠の質を低下させてしまったりするため、注意が必要です。
「寝だめ」が寝不足を助長させてしまう3つの理由
では、悪い寝だめをすると、なぜ寝不足になるのでしょうか?
睡眠のリズムが乱れて、寝たい時に眠れなくなるから
休日にたくさん寝ようと決めて遅くまで寝てしまうと、人間が持つ24時間周期で訪れる「概日リズム」を乱す可能性があります。このリズムが崩れると、夜に眠れなくなるなど慢性的な寝不足を引き起こしてしまうのです。
眠くない時に無理やり寝ることで疲労が蓄積するから
「明日大事な予定があるから今のうちに寝ておこう」と、未来の疲労を予測して寝だめすることは得策ではありません。というのも、疲れていないのに寝ようとしてもなかなか寝付けずに、逆にストレスや疲労が蓄積してしまうからです。
時間を無駄にしたというネガティブな感情がたまるから
早寝早起きは、誰もが知っている理想の睡眠のとり方です。そのため、遅くまで寝てしまうと、「休日に昼まで寝てしまった」「何もしないで1日を終えてしまった」と自己嫌悪に陥り、楽しいはずの休日にストレスをためてしまうことになるのです。
「寝だめ」するならルールが必要。睡眠の質を維持する有効な5つのルール
寝る時間は、通常の睡眠時間+1〜2時間を目安に
寝だめする場合も、極端に長く寝るのではなく普段の睡眠時間に加えて1〜2時間多めにとるくらいにとどめておきましょう。寝だめする時間が長すぎるといつもの睡眠リズムに戻すのに時間がかかり、その後の睡眠不足を引き起こす可能性があります。
アラームをかけない
寝だめは、不足した睡眠を補うためにする行動です。アラームをかけると睡眠が足りていない状態で起きることになってしまうので、アラームの使用は控えましょう。最初はアラームを使わないことにストレスを感じるかもしれませんが、そのうちスムーズに起きることができるようになります。
なかなか寝つけない場合は、寝だめをしない
眠くない時に無理して寝だめするのはやめましょう。もしその状態で寝たとしても、すぐに眠れないことや浅い睡眠しかとれなかったことがストレスになってしまい、逆効果になってしまうでしょう。
起きる時間は遅くするのではなく、就寝時間を早める
寝だめするなら、朝遅くまで寝るのではなくベッドに入る時間を早くしましょう。人間は、朝日で体内時計がリセットされて目覚め、日没とともに身体が休息モードに入って就寝の体制に入る、という睡眠リズムを持っています。例えば週末にお昼まで寝てしまうと、睡眠リズムが崩れるため睡眠の質低下を招くことになるのです。
15時以降の昼寝は避ける
昼間に睡眠をとる場合は、15時までにしましょう。15時以降は日が落ち始める時間のため、その頃に睡眠をとると夜に寝付きにくくなり、結果として次の日以降の睡眠リズム、睡眠の質を悪くしてしまいかねません。
まとめ:1日の睡眠時間ではなく每日の睡眠リズムを意識しよう
質の良い睡眠をとるために大切なのは、每日の睡眠リズムを一定に保つこと。睡眠を1日単位で考えるのではなく、1週間、1ヶ月間と長期間で考えてみましょう。睡眠不足で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみて下さい。