最適な枕の高さは体格や寝姿勢によって異なる
夜眠るときになんとなく寝苦しかったり、首筋から頭の姿勢が変になったりしている実感がありませんか?変な姿勢で寝ていると体調が悪くなったり、いびきや歯ぎしりの原因になったりする可能性があります。
その原因は枕の高さが合っていないからかもしれません。しかし、体格や寝る姿勢は人によって異なるため、どのくらいの高さの枕で眠れば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではライズTOKYO編集部が理想的な枕の高さについて解説します。
最適な枕の高さは枕と首筋の間がぴったりと埋まる高さ
自分に合った最適な枕の高さを見極めるために、まずそもそも枕を何のために使うのか、という点から解説します。
枕は首を支えるためにある
人間は脳が非常に進化し、肥大化した生き物です。頭の重さは全体重の8%もあると言われており、体重が60kgの人なら頭だけでおよそ4.8kgです。
人間は自然な姿勢を保つと背骨がS字のカーブを描きます。ところがこのS字を保ったまま横向きに寝ると、頭が床から浮いた状態になります。この状態だと頭が重いので自然と頭は床に付きますが、そうするとS字の姿勢ではなくなるのです。
S字でない姿勢は不自然な姿勢なので、長期間そのような姿勢でいると首が痛くなったり頭痛になったりします。これを防止するために枕があります。
枕には頭と首を支えて身体をS字に保つ役割があります。特に首の支えが重要で、枕が首のカーブにぴったりとフィットし、全体をがっちりと支えることができれば寝姿勢が固定され、安定します。
つまり、首の部分の隙間をぴったりと埋めることができる枕こそ良い枕といえます。
脊柱がS字になることが重要
最適な枕の高さとは身体と首のラインがちゃんとS字になる高さであるといえます。
ストレートネックという言葉を聞いたことがあるかもしれません。ストレートネックとは不自然な姿勢を続けることで首の骨に歪みが生じた状態です。合わない枕を使い続けることで、ストレートネックになってしまう可能性があります。
これを防ぐには首のS字ラインにぴったりとハマる枕を選ぶことが必要です。つまり、枕は高さだけでなく、形や素材も非常に重要だといえます。
中材の偏りが少ない構造で首筋と後頭部を自然に受け止めるような形の枕を選びましょう。素材は高反発素材がおすすめです。低反発だと沈み込みやすいので首のS字ラインも崩れやすいです。
合わない枕を使っているとどうなる?
高さや形、素材が合っていない枕を使い続けると、首の痛みや頭痛など身体に不調をきたす恐れがあります。合わない枕によって、どのようなトラブルにつながる可能性があるかを解説します。
首の痛みや頭痛、ストレートネック
高さの合わない枕を使っていると首が痛くなったり、頭痛がしたりする可能性があります。また、個人差はありますが、肩こりや腰痛や疲労感なども可能性があります。
なぜこのような症状が起きるのでしょうか。一言で言うと首回りの筋肉が不自然に緊張してしまうからです。
肩や首回りの筋肉の緊張、いわゆる「こり」が原因で起こる頭痛を緊張型頭痛と言います。緊張型頭痛は一見偏頭痛などと似ていますが、偏頭痛が日常生活に大きな影響を及ぼすのに比較して、緊張型頭痛はまだ何とか我慢できる程度の頭痛であることが多いです。しかし、中途半端な痛みであるがゆえに逆にたちが悪いといえます。
なぜなら、仕事や家事を休むほどではないけれど、著しく能率を下げるからです。集中力が低下してミスにもつながりかねません。
また、このような症状が出る場合はストレートネックの可能性もあります。一旦ストレートネックになると、寝ているときだけではなく、起きているときも不自然な姿勢になってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
特に枕が高すぎる場合には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因になる可能性があります。睡眠時無呼吸症候群とは寝ているときに頻繁に呼吸が止まってしまう病気です。頻繁に呼吸が止まってしまうことで、脳が十分に休息を取れず、疲労が回復しにくくなります。
その結果、翌日に異常な眠気に襲われたり、日常生活に支障をきたしたりするようになります。このようになってしまう原因は気道が圧迫されて狭くなることです。40代以上でやや太り気味の男性は特にリスクが高いため、専門医に診てもらうことをお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群のひとつの改善策として、横向きで寝ることが挙げられます。横向きで寝ると舌が喉のほうに落ち込むのを防げるため、気道が確保でき、呼吸しやすくなります。
そのためには横向き寝に適した枕を選ばなければなりません。一般的に、仰向け用の枕で横向きに寝ると高さが足りずに身体が痛くなるためです。しかし、一方で、仰向けで寝るときに枕が高すぎると首が不自然に前傾姿勢になってしまい、喉を圧迫し、呼吸がしづらくなります。
睡眠時無呼吸症候群のリスクがある方は仰向けでも横向きでも使える枕を選ぶと良いでしょう。ライズでは、サイドを高めに設計した横向き寝でも快適で、仰向けに戻りやすい枕を展開しています。
いびき、歯ぎしり
いびきや歯ぎしりは必ずしも健康に悪いわけではありません。しかし、周りの人々の快眠を妨げますのでできれば直したいと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
いびきや歯ぎしりの原因はいろいろ考えられますが、枕が原因という可能性があります。枕が高すぎると首が不自然に前傾姿勢になり、気道が狭くなっていびきの原因となりやすいです。
いびきを改善する場合も、横向きに寝ることが方法として挙げられます。この際にも睡眠時無呼吸症候群と同じように、横向き寝に適した枕を選ぶと良いでしょう。
適切な高さを測る方法
体格や骨格によって、最適な枕の高さは異なります。自分に合った枕の高さを測る方法を解説します。
首のカーブの深さを測る
まず首のカーブの深さを測ります。首のカーブの深さがそのまま最適な枕の高さというわけではありませんが、参考にするための値として測った方が良いでしょう。測り方は次の通りです。
- 壁を背にして直立する。
- 顎を引いて、背筋をまっすぐにする。無理やり頭を壁に付けたりせず、自然にまっすぐ。
- 壁から首のカーブのいちばん深い部分までの長さを測る。
だいたい、男性なら5〜6cm、女性なら3〜4cmくらいの深さになることが多いようです。
最適な枕の高さの目安
最適な枕の高さの目安は、首のカーブの深さ+2cmと言われています。なぜなら、頭を乗せたときにだいたい2cmぐらい枕が沈むからです。ただ、これもあくまでも目安です。個人の体格や骨格によっても、また、ご使用中のマットレスの状態や素材などでも最適な高さは微妙に変わってきます。
首のカーブの深さの平均と、普段寝ている枕の高さの平均の統計を取ると、大きく異なることが明らかになっています。最終的な高さは、首のカーブの深さ+2cmの目安を元に自分で微調整する必要があります。
自分の感覚も大切
枕を買うときは実際に試してみてから買うことが大切です。もし微調整したい場合はタオルを敷いたりして高さを調整しましょう。
枕が合っているかどうかは目線の高さで判断します。実際に寝てみて、目線がまっすぐ真上では無く、やや斜め前を向き、少し前傾姿勢になるのが理想的な高さです。
仰向けか横向きかによっても最適な高さが異なる
枕の適切な高さは、寝る姿勢の向きによっても異なります。
横向きに寝る場合は仰向けより高さが必要
横向きに寝るときは一般的には仰向けのときよりも高さが必要です。なぜなら、仰向けのときの首のカーブの深さよりも横向きのときの肩の高さのほうが高いからです。
枕の中には真ん中部分が低く、両サイドの部分が高くなっているものがあります。これは真ん中の部分を仰向け用、両サイドを横向き用として作られているためです。仰向けと横向きを頻繁に切り替えて眠るくせのある方はこのタイプの枕を選ぶとよいでしょう。
横向きに寝たときに首が変に曲がらないか
横向きの場合、首と背筋が一直線になる高さが最適です。人間の背骨は横から見るとカーブしていますが、正面から見ると一直線になっています。
この直線を維持するように頭を支えることができれば寝たときにも自然な姿勢を保つことができます。あまり作りの良くない枕や柔らかくて沈み込むタイプの素材だと首が変に曲がってしまうものがあり、肩こりや頭痛の原因となりやすいです。
自分に合った枕に頭を乗せると、首筋と肩、頭の全体にぴったりと枕がフィットするのがわかります。そのように頭や首筋にぴったりとフィットすると心地よい眠りが得られやすいです。
枕を選ぶときのポイント
実際の枕の選び方を見ていきましょう。試した際に確認しておきたいポイントを解説します。
寝返りがしやすいこと
寝返りは単に寝る姿勢を変えるだけではなく、健康上も非常に効果があることがわかっています。「動的睡眠」という言葉をご存じでしょうか?動的睡眠とは睡眠中の身体の動きのことで、寝返りだけではなくちょっとだけ身体を動かすようなことも含みます。
対して、あまり就寝中に動かない、動きにくい眠りを「静的睡眠」と言います。心地よい眠りとは動的睡眠のことなのです。
人間は寝ている間に身体を動かすことで、血液やリンパの流れを促したり、寝やすい温度に体温調整を行ったりするため、静的睡眠よりも動的睡眠が重要とされています。
首や肩にフィットするかどうか
首や肩にフィットするかも非常に大切です。
自分に合った枕に頭を乗せると、ただ頭が乗っているだけではなく、肩周りや首筋、頭にかけて枕の曲線がフィットし、肩から上をしっかり支えられている感覚があるはずです。非常に安定感があり、心地よい眠りが得られます。
重要なのは自然な寝姿勢をサポートし、かつ、寝返りを打ちやすくすることです。それには首や肩へのフィット感が重要になります。
高反発であること
枕は高反発素材がおすすめです。低反発の枕は高級ホテルなどでも使われているためなんとなく良さそうな感じがしてしまいますが、実はあまり快適な睡眠をもたらしてくれません。その理由は圧力の分散性が低いことと通気性が悪いことが挙げられます。
低反発素材は圧力によって深く沈み込むため、寝返りが打ちにくく、体圧が一点に集中してしまうのです。その点、高反発素材は力強く身体を支えてくれるので体圧が分散しやすく、心地よい眠りが得られます。
また、枕というのは汗で蒸れやすく熱がこもりやすい寝具であるため、通気性が非常に大切になってきます。低反発素材は通気性の悪い物が多く、この点からも高反発素材のほうがおすすめと言えます。
適切な素材を選ぶこと
高反発といってもさまざまな素材があります。自分の体質や住宅の湿気、空調などによってどれを選ぶべきかが変わってきます。
3次元構造 高反発ファイバー
ポリエチレン製の樹脂を3次元構造に編み込んだ繊維です。 非常に通気性が良い素材で汗や蒸気が中にこもりにくい特徴があり、今もっとも注目されている素材です。
感触は非常に硬く、 反発性が強いです。 固めの枕が好きな人や汗かきの人はこの素材を選ぶと良いでしょう。
ラテックス
ラテックスとは天然ゴムのことです。ゴム製の枕はあまり聞いたことがないかも知れませんが、欧米では一般的な素材として普及しています。ゴムというと硬いイメージを想像するかもしれませんが「高反発のマシュマロ」と形容されるほどソフト感に優れた心地よい素材です。
最大の特徴は360度全方向から、重さに比例して反発する優れた高反発力です。一般的なウレタンは上下1方向にしか反発しないため、例えば、大人と子供がならんで寝る場合に体重の重い大人の方に傾きますが、天然ラテックスは重心が変わらず、自然な寝姿勢を保つことができます。また、その抗菌性能も魅力です。ゴムの樹液本来が持つ植物性の自然な抗菌作用をそのまま保有しているので、カビが生えたり雑菌がわいたりしにくいです。
枕でお悩みならライズTOKYOへご相談ください
枕が身体に合っていないと体調も崩しがちになり、頭痛や肩こり、ストレートネックの原因となることがあります。
もし枕が合わずにお悩みなら、ぜひライズTOKYOへご相談ください。お客様の理想的な睡眠をサポートいたします。
また、ライズTOKYOは枕のラインナップを豊富に取りそろえています。高反発ファイバーやラテックスなどお好みに合わせた多彩な素材の中から選ぶことが可能です。