マットレスのダニを駆除したい!退治する方法と予防策を徹底解説
梅雨時期や夏場になると気になる寝具のダニ。マットレスの多くは洗うこともできないので、十分にダニの駆除ができているのか心配な人も多いのではないでしょうか。ここでは、ダニが発生しやすい条件や駆除方法、予防の仕方を解説します。
マットレスには多くのダニが潜んでいる
快適に眠るためにあるはずのマットレスには、実は多くのダニが潜んでいます。
では、ダニは何が原因で増殖しているのでしょうか。
また、発生してしまったダニは、どのように駆除し、その後の予防方法にはどのような手段があるのでしょうか。本記事では、ダニの発生の原因から除去の方法まで詳しく解説します。
ダニは人に健康被害をもたらす危険があります。しっかりと駆除して、発生しにくい環境作りに努めましょう。
マットレスにダニが発生・繁殖する原因
ダニは増殖すると健康被害を引き起こす恐れがあります。ダニに刺されると痒みやアレルギー・喘息などの症状に陥ることもあります。そんな健康被害を招くダニは、どのようにして発生するのでしょうか。
人間やペットが外から運んでくる
実は、マットレスにダニが発生する原因の一つには、人間やペットが外から運んでくるということがあげられます。外出先で座ったソファや電車の座席など、色々なものに触れることで、着ている衣服やバッグなどに付着し、そのまま帰宅すると家の中に持ち運んでしまうのです。
ダニは、人を介して外から室内へ、家から家へと運ばれるため、外出する以上、ダニの侵入を防ぐことは難しいと考えられています。
そのため、家の中にダニを持ち込まないことよりも、持ち込んでしまったダニをそれ以上に繁殖させないようにすることを心がけましょう。
ダニが暮らしやすい環境が整っている
ダニが繁殖しやすい環境をご存知でしょうか。次の3つの要因が全て揃うとダニは繁殖しやすいと言われています。
- 温度が20~30度
- 湿度が70%以上
- 皮脂やフケなど栄養源が豊富
特に布団よりも厚みのあるマットレスでは、ダニの繁殖スピードが早いです。なぜならマットレスは上記で挙げた3つの要因が揃いやすいからです。
マットレスだからダニの発生は仕方ないと思わずに、退治→除去→再発予防という流れで、増殖を抑える工夫が大切です。
マットレスのダニを除去する方法
快適に眠るためにも、マットレスでダニを増殖させないことが大切です。まずは発生してしまったダニを除去する方法からチェックしておきましょう。
カバーを外して洗濯する
マットレスに発生してしまったダニは、生きているダニと死骸やフンの2種類に分けられます。死骸やフンを除去するのに掃除機は有効ですが、生きているダニは表面を掃除機で吸引しても、マットレスの深部に逃げていき完全に退治することは難しいです。
そのため、マットレスカバーが外せる場合は、3日に1回の頻度で洗濯をすることが望ましいです。60~70度の熱湯で洗濯したり、乾燥機に30分以上かけたりすることでダニを死滅させることができます。
ダニは熱に弱いため、50度以上の熱を10分以上与え続ければ退治できる可能性が格段に上がります。
また、カバーに付着している汚れを除去できるため、ダニの栄養源を減らし、増殖を抑えることにもつながります。
ダニ駆除剤を使用する
市販されているマットレス専用のダニ駆除剤を使うこともおすすめです。
ダニ駆除剤にはくん煙タイプやスプレータイプなど色々な種類があります。
くん煙タイプの駆除剤は布団やマットレスなどの繊維の奥までは行き届かないことが多いため、基本的には寝具用として売られているスプレータイプを使用するようにしてください。
マットレスや布団以外に発生しているダニを駆除する際には、くん煙タイプでも可能ですが、その際は寝具には薬剤が噴霧されないよう配慮する必要があります。
特に肌が敏感な人は、注意書きをしっかりと読んでから使用するようにしてください。
また、駆除剤を使用する際は、掃除機などでしっかりとダニの死骸やフン、ダニの栄養源になるゴミやホコリなどを事前にしっかりと吸い取っておきましょう。
布団乾燥機で退治する
ダニ対策として布団乾燥機を利用している人も多いのではないでしょうか。熱でダニを駆除できるため、布団乾燥機の使用は効果的です。
ただし、熱が届きにくいマットレスの深部にダニが逃げてしまう可能性があるため、布団乾燥機を使用する場合は最低1時間以上運転するようにしましょう。
さらに、ダニが夜間に活動する習性を利用して、部屋を暗くすることもポイントです。表面に出てきやすい状況を作り出し、効率的に退治できます。
家庭用の布団乾燥機を使ってダニを退治する場合は、そのまま使用しても熱が布団やマットレスの隅々まで行き渡らない可能性があるため、次のように行うことがおすすめです。
- 布団乾燥機の熱が逃げないよう折りたたんだ布団の上から布団乾燥シートで包む
- さらに布団を上からかけて熱が逃げないようにする
- 90~120分間稼働させる
- 布団を裏返して1~3の作業を行う
この工程を1日2回(午前と午後)、3日間連続で行うことで、布団やマットレスに潜んでいるダニはほとんど死滅させることができます。
多くのマットレスは折りたたむことができないため、熱が逃げない工夫を施して実践してみましょう。
表面だけでなく裏面も同様に行うことで、布団乾燥機の効果を高められます。
布団乾燥機を持っていない場合は、コインランドリーを活用すると良いでしょう。コインランドリーの乾燥機は業務用のため、55度以上の熱を布団の隅々まで加えることができます。但し、素材によっては高熱に弱いものもあるため、熱への対応が可能か確認の上、利用してください。
30分~1時間ほど乾燥機にかけることで、ダニを死滅させることができます。
クリーニングを依頼する
自力での退治が困難な場合や、より確実にダニを退治・除去したい場合は、マットレスのクリーニングがおすすめです。
プロの技術で徹底的にダニを駆除できます。もちろん、ダニの駆除だけでなく、マットレスに染みついてしまった汚れやカビもキレイにしてくれるためとても便利です。
価格は業者によって異なりますが、相場はシングルで9,000円、ダブルで12,000円ほどです。
費用はかかってしまうため普段は自宅でのお手入れで済ませ、シーズン毎など頻度を決めて活用することをおすすめします。
マットレスのダニを予防する対策
マットレスに発生してしまったダニを駆除したら、新たに増殖させないために予防しておきましょう。再発予防におすすめの方法やグッズを紹介します。
ダニ予防シートを敷く
ダニ予防シートは、布団やマットレスの下に敷くだけで簡単にダニを予防できます。
ダニ予防シートには、香りでおびき寄せて捕獲するタイプや乾燥させて死滅させるタイプ、ダニが嫌う香りを発し忌避効果を狙うタイプなど、様々なものがあります。
基本的にはメッシュカバー、誘引剤、粘着シート、保護シートで構成されており、誘引剤に導かれて粘着シートでダニを捕獲する仕組みになっています。
マットレスや布団の下に置くだけでダニの駆除ができるため作業が簡単な点はメリットですが、退治が終わるまでに時間がかかるというデメリットもあることを理解しておきましょう。
赤ちゃんのいる家庭、ペットがいる家庭など、ライフスタイルや家族構成に合わせて選ぶことがおすすめです。
防ダニシーツを利用する
防ダニシーツとは、ダニはもちろん、ほこりなども通さないシーツのことを指します。
防ダニシーツには、ダニの栄養源であるフケやアカを溜まりにくくしたり、寝ている間の汗でマットレスが湿気ることを防いだりして、ダニの増殖を抑えてくれる効果があります。
薬剤などを使用していないため、肌が敏感な人でも安心して使用できます。
また、防ダニシーツは、繊維同士をすき間無くぎっちりと編み込んで作られている高密度織り防ダニシーツと、裏面にラミネート加工が施されている防水加工の防ダニシーツの2種類に分けることができます。
高密度織り防ダニシーツは、小さなダニですら透過させないほどの密度で作られているためダニ予防に向きますが、使用するほどに繊維の編み込みが緩んできて効果が薄らいでしまうデメリットもあります。
一方、防水加工の防ダニシーツは、その名の通り防水加工が施されていますが、透過性がゼロに近いため、蒸れ感を感じることがあります。また、ラミネート加工によってゴワゴワした肌触りのものもあるため、実際に店舗で触ってみるなどして判断することをおすすめします。
防ダニシーツは普段使用しているシーツの代わりに使用するものなので、使い勝手の良い自分に合ったものを選ぶように心がけましょう。
寝室を定期的に換気する
ダニが好む湿度の高い環境を排除するために、寝室の換気を定期的に行うことは手軽にできる予防法です。
換気をする際は、掛け布団をめくっておくと、より風通しが良くなるため、湿度を抑えることができます。
マットレスの通気性をより高めるのであれば、カバーを外したマットレスは立てかけた状態で換気することもおすすめです。
マットレスが両面使用できるタイプであれば、立てかけたついでにひっくり返して別の面を使用することも手段の一つとしてあげられます。両面使用が可能な場合は3カ月に1度はひっくり返して使用面を変えるようにしましょう。
マットレスのダニに関するQ&A
マットレスのダニの存在に悩む人は少なくありません。駆除をするにはダニの知識を深めておくことが大切です。ここではダニに関するよくある疑問にお答えします。
繁殖するダニの種類は?
室内で繁殖しやすいダニの種類は、チリダニ、コナダニ、ツメダニの3種類が一般的です。
中でもチリダニは約8割を占めていて。人を刺すことはありませんが、細かな死骸やフンなどを吸い込んでしまうと、喘息やアトピーなどのアレルギー症状を引き起こす原因となります。
また、コナダニは小麦粉などの粉物や畳などに潜んでいて、毒性はほとんどないですが場合によっては健康被害をもたらすこともあります。
そしてツメダニは吸血はしませんが人を刺すという特徴があり、刺されて時間が経過するとかゆみや発疹がでてくることがあります。
いずれも大きさが1ミリメートルに満たないサイズなので、肉眼では見つけづらいため、ダニの繁殖をおさえるためにできることをコツコツと続けることが大切です。
ダニが発生する季節は?
ダニが発生する季節は、梅雨時や夏場に限りません。
冒頭であげたダニが増殖しやすい3つの要因が揃ってしまうと、季節に関係なく繁殖します。
日本では、梅雨時や夏場に3つの要因が揃いやすいため、この時期により増殖しやすいと言われています。
しかし、冬場でも寝ている間は汗をかいたり、皮膚やアカなどが剥がれ落ちたりすることもあるため、一年を通してダニ対策は必要と考えておくと良いでしょう。
マットレス以外でダニが発生しやすい場所は?
ダニが発生しやすい場所はマットレスだけではありません。増殖しやすい3つの条件が整う環境であればどこでも発生しやすくなります。
中でも気をつけたいのが枕や掛布団です。マットレスばかりに意識が集中してしまいがちですが、こまめな洗濯や乾燥など対策が必要です。
他にも、通気性が悪くなりやすいクローゼットや押し入れ、畳やカーペットなども危険です。
クローゼットや押し入れは扉を開けて換気をするだけでも予防になります。畳やカーペットは毎日掃除機をかけるだけでも予防になりますが、天気の良い日を見つけて天日干しをすることをおすすめします。
また、洗濯できず、サイズの都合上天日干しもできない場合には、思い切ってフローリングやパズルマットなどに変えてみることも手段のひとつです。
そしてダニはエアコン内でもよく発生します。搭載されている自動お掃除機能や、自力でフィルター掃除をすることで予防可能ですが、一年に一度はプロに頼んで掃除をしてもらうと良いでしょう。
正しい方法でマットレスのダニを退治しよう
ダニは健康被害をもたらす危険がありますが、外出する以上、どうしても家の中に持ち込んでしまうものです。増殖を防ぐためには、家の中で繁殖させないことが大切です。
快適に眠るためにも、マットレスの定期的な掃除を行い、ダニの駆除・予防を心がけましょう。
また、マットレスの買い替えのタイミングに中材まで洗える素材のものを選ぶこともダニ対策としてとても有効です。
ダニが繁殖しない環境作りのために、マットレスの素材にはこだわって買い替えを行うようにしましょう。