2022.09.28

最後の箱根まで、いつものルーティーンで。青学駅伝部 近藤幸太郎選手×岸本大紀選手(4年生)

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近藤幸太郎選手(左)、岸本大紀選手(右)

青山学院大学陸上競技部長距離ブロックの4年生エースコンビ、近藤幸太郎選手と岸本大紀選手。両選手とも1年時から箱根駅伝(以下、箱根)でエントリーメンバー入りを果たした実力者で、前回の第98回大会の総合優勝の立役者です。

近藤選手は2年次に初めて箱根で出走し、区間3位の好走で復路優勝に貢献。前回大会では「花の2区」を任されました。岸本選手は1年次の箱根で2区を走り、日本人ルーキー史上最高タイムを記録しています。前回大会ではケガ明けとは思えない走りを見せ、7区で区間賞を獲得しました。

二人が改めて振り返る3年目の箱根と、印象に残っているレース、ラストイヤーへの思いとは?箱根前日や当日の過ごし方、睡眠についてもお聞きしました。

 

自分らしく挑むだけ。4年生二人が振り返る3年目の箱根

ー試合前日はどのように過ごされているのでしょうか?

近藤:とにかくストレスがないよう、「いつも通り」を意識しています。家族と連絡をとるなど、落ち着くことをしていますね。

岸本:僕も特別なことをせず、いつも通り。強いていうなら、できるだけ一人の時間を作っています。リラックスするというより、集中するという意識ですね。あまりワイワイはしません(笑)。

近藤:僕は逆ですね…チームメイトと話すことで、緊張をはぐらかしていることが多いです。

 

ー箱根駅伝に向けて、緊張が高まるのはいつ頃からなのでしょうか?

近藤:区間発表の時です。2区や5区など険しい登りが続く区間は、だいたい1ヶ月前には発表されます。他の平地区間は1週間前くらいに決定することが多いです。この期間中は、ドキドキですね。

 

ー前回大会、岸本選手は当日発表でしたよね。

岸本:昨年は11月の全日本大学駅伝が終わってすぐにケガをしたので、最終的に出走が決まったのはギリギリでした。実は、直前まで8区を走る予定だったんです。佐藤一世(3年)との兼ね合いで、入れ替わりました。

試走も自分がもともと走る予定だった区間以外は寝ていたので、意味をなさなかったです(笑)。佐藤は、箱根の前日に試走に行っていましたね。

 

ー試合当日は、いつがいちばん緊張しますか?

近藤:1区の走者がスタートしたタイミングです。「始まったんだ」と実感がわきます。弱音も含めて、その時の気持ちを全て口に出して緊張をコントロールしています。

岸本:僕は車で移動している時や、アップ前に少し緊張します。身体を動かし始めて戦闘態勢に入ると、緊張はなくなります。どの試合もしっかり準備して、これ以上ないパフォーマンスで挑んでいます。あとは出しきるだけなので、当日はそこまで緊張しないんです。昨年はケガ明けだったので、多少の不安はありましたが。

 

ー前回大会、岸本選手は1位でタスキを受け取られました。タスキを受け取る順位によって、気持ちに変化はあるのでしょうか?

岸本:そうですね。遅れていたら、どうしても追いつこうとペースが上がってしまいます。

近藤:僕は、良い意味で競争心を持たずに走れるんです。結果的に、焦らずに走ることができます。昨年の箱根も、前を気にすることなく自分のペースで走って、順位を上げられました。

 

ー最後の権田坂は、やはりきつかったのでしょうか?

近藤:やばかったですね。岸本が(1年次に)走った時は余裕そうでしたけど…「もう一度走って」と言われると「ちょっと待って」という感じです(笑)。

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短時間でも、質の高い睡眠が可能に

ー青山学院に入学してから、睡眠を含めてコンディショニングに対する意識は高まったと思います。これまで睡眠を意識したことはあったのでしょうか?

近藤:「疲れたら寝る」という感じで、特に意識はしていなかったです。よく寝る方だったとは思います。

岸本:僕は昔から、睡眠時間が短くてあまり寝ないタイプです。6時間も寝たら、しっかり休めた感覚があります。

近藤:今は朝練があり朝が早いので、できるときは昼寝をして睡眠時間を確保しています。

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ー睡眠の質については、いかがでしょうか?

岸本:睡眠時間が短い分、質は意識しなければいけないと思っています。ライズさんのマットレスを使用すると、スッと寝付けますし、起きるのもスムーズです。遠征などでマットレスが違うと寝られないこともあるくらい、今では安心感がありますね。

近藤:最初は少し固いなと感じたのですが、高反発で寝返りがスムーズに取れるので、腰の痛みが改善されました。

 

ー寝られない日はあるのでしょうか?

岸本:疲れすぎて寝られないことはあります。自分の心臓の音がうるさく聞こえるんです。

近藤:興奮しているからか、試合前よりも終わった後の方が寝られない日が多いです。箱根前日は、めちゃくちゃ緊張しているので寝られません。

岸本:起きたら走るしかないので、朝が来てほしくないです(笑)。

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周囲からの期待が高まった、忘れられないレース。

ー青山学院大に入学してから、最も印象に残っている大会やレースを教えてください。

岸本:もちろん、1年目の箱根です。あの場で結果を残したことで注目されるようになりました。周囲の見る目も変わったと感じています。1年生の時点であれだけ走れたことは自信になりましたし、今後の自分の役割を意識した瞬間でもありました。

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ー1年目で大舞台に出ることが決まり、どのような気持ちだったのでしょうか?

岸本:ワクワクしていました。緊張よりも、「早く走りたい」と。監督からは「2区いけるか?」とずっと聞かれていたので、自分の中でも準備をしていました。

近藤:僕は、3年時の全日本大学駅伝が印象に残っています。岸本と同じように、自分に自信を持てるようになったレースです。ようやく結果で示すことができました。岸本は、1年時から雲の上の存在で。少しは追いつけたのかなと。

 

最後は「箱根優勝」に尽きる

ー走る原動力は何なのでしょうか?

近藤:仲間ですね。一緒にいて楽しいですし…それが原動力の全てです。

岸本:あとは達成感かなと。練習も試合も、「走りきった」感覚がたまらないですね。

 

ーラストイヤーに向けて、改めて今年の目標をお聞かせください。

近藤:箱根で優勝すること。これに尽きます。

岸本:引退してからも、陸上競技に関わっていきたいと思っています。今後のためにも、チームの優勝はもちろん、個人でも結果を残せるように頑張りたいです。

 

ー引退後の陸上への関わり方は、どういった形を考えているのですか?

岸本:指導者です。親が教師なので、昔から教えることに憧れがあるんです。

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